Private walk

 23th.Dec.2002

東京レトロ 谷根千探訪
予告編・早回り

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 今年の年末年始をどう過ごそうかと考えていて、ふと谷中七福神を思い出した。森まゆみさんの「谷中スケッチブック」を引っ張り出して読むうちに行きたくなった。
 朝、行き先も決めずに家を出て、田端で降りることにした。
 駅前の田端文士村記念館は10:00開館なので今日は入れず。文士村めぐりもひとつのテーマになりそう。
 あてもなく歩き始める。ともあれ、七福神めぐりと違うコースを歩くことにしよう。
 開成高校の脇の向陵稲荷坂・ひぐらし坂を上下して西日暮里の諏訪神社。眼下に新幹線が通るようなところ。

 ちょうど夕焼けだんだんの下に出てきたので、谷中銀座を通り抜けて、よみせ通りへと進む。
 この辺りは少し観光地らしくなった。

 都内で唯一富士山を望めるという富士見坂を下る。東大寺の大仏裏の道と言ったら言い過ぎだろうが、この坂は何か風情を感じる。
 下に降りると、お寺が並ぶ六阿弥陀通り。交通量も多くないので静かな寺町の風情。
 道は緩やかに曲がり、軒先に日の丸を掲げた家もある。今日は旗日だった。
 竹篭のお店を覗いたりして行くと、谷中銀座までもわずか。

 谷中墓地は桜の名所だが、この時期は葉が落ちて冬枯れの墓地は明るい。とくに今日は青空が広がって気分がいい。
 交番の隣りに焼失した五重塔跡が公園になっている。
 桜並木の突き当たりの天王寺は七福神で寄るので、墓地を一回りして言問通りに戻る。
 こんな時でも結構地図をもって散策する人が多いのには驚いた。

 よみせ通りを真っ直ぐいくと、旧藍染川跡の通称・へび道といわれる区境の道に入る。右は文京区千駄木、左は台東区谷中。
 途中から道を折れて、あかぢ坂を登った上に大名時計博物館がある。旧勝山藩の屋敷跡だ。
 この辺りの高台は、旗本・大名の屋敷も多かったらしい。
 寺町から言問通りに出て、谷中墓地への入り口に下町風俗資料館の移設建物。吉田屋という酒屋だ。街の中にあるというのがいいなあ。

 寺町とは雰囲気が変わって、旧国会図書館の国際こども図書館、東京芸大、奏楽堂などの見応えのある明治の建物が並ぶ。
 この道は文化の森という感じで大好きだ。

 今日はお寺巡りはしないつもりだったが、四万八千体地蔵の浄妙院だけ寄る。
 江戸六地蔵の一つというが、本堂脇の墓石のような地蔵が並んでいるのは圧巻。
 さて、寛永寺の前から上野の森に入っていく。

 新しくなった上野駅でお昼をとって、午後は不忍池から暗闇坂、弥生町を通って根津に戻ることにした。
 できるだけ裏通りを通って行くが、東大キャンパスを迂回するので大回りになる。弥生の名所の「おばけ階段」を降りると、再び言問通りにぶつかる。更に異人坂を上れば根津教会の前に出る。意外とわかりやすい道だった。
 根津神社前のS坂を上って東大前から本郷へと向かって今日のところはゴール。

 地域としては狭いのだが、あちこち気の向くままに歩き回れる楽しさがあった。距離は12kmと結構歩いたな。
 東京は京都・奈良と違って歴史を守ることより、歴史を作りつつある街だから変化し続けるのは仕方ない。でも、谷根千のような一画があるということに感謝しなければいけないな。
 来年はシリーズで歩いてみることにしよう。


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